リスティング広告の入札管理は何を基準に行っていますか?最近は成果がいいから強めよう、弱めようでは運用者の感覚のみで成果が大きくぶれることに…とキーワードごとにABCDの基準を設けて運用することで根拠のある入札管理が行えます。
今回はそんな内容。
もくじ
ABCD入札とは?
ABCD入札ってあまり聞きなれない方法ですが一言で言うと、キーワードごとにABCDのランクを付け、ランクに適した入札調整を行う方法です。

Aランク
獲得実績あり、獲得単価が目標以下
Aキーワードは成果が好調なキーワードが当てはまります。ここに分類されるキーワードはさらに入札を強め流入を増やすように調整します。私たちは「Aランクは攻めろ」と教わります。
例)目標獲得単価1万円の場合
獲得実績あり、5000円の獲得単価の場合はAランクです。
Bランク
獲得実績あり、獲得単価が目標以上
Bキーワードは獲得実績はあるが目標の獲得単価より高くなってしまっているキーワードが当てはまります。ここに分類するキーワードに関しては、入札強化は控えめに入ってきている「検索クエリ」の分析をし必要であれば除外する必要があります。私たちは「Bランクは最適化しろ」と教わります。
例)目標獲得単価1万円の場合
獲得実績あり、15,000円の獲得単価の場合はBランクです。
またこのランクのキーワードに関しては、クライアントの求める成果指標や他キーワードの成果次第で調整方法が異なることがあります。今は「件数を求めるのか」、「獲得単価の最適化を求めるのか」です。
例えば、目標獲得単価1万円、獲得件数100件のクライアントがいるとします。
月の途中で平均獲得単価は5000円だがまだ10件しか取れていない。なんて状況であれば、Bランクのキーワード強化を行い、「獲得単価が多少上がったとしても件数を取りに行く。」という判断になります。
月の途中で獲得件数は80件まで来たが平均獲得単価が11,000円。といった状況であれば残りの予算で20件獲得しなくてはいけない為、「獲得単価が高いキーワードは抑えて最適化する」という判断になります。
このように私は「バランスを取りつつ最適化する」キーワードランクと認識しています。
Cランク
獲得実績あり、使用コストが目標以上
Cキーワードは過去の獲得実績がなく、使用コストも高い(目標獲得単価以上)キーワードが当てはまります。どんなに配信量が増えたとしても獲得ができていない為、配信量を抑えるべきキーワードです。私たちは「Cランクは抑えろ」と教わります。
例)目標獲得単価1万円の場合
過去獲得実績なし、使用コスト15,000円の場合はCランクです。
Dランク
獲得実績あり、使用コストが目標以下
Dキーワードは過去に獲得実績がなく、使用コストも目標獲得単価以下しか使っていない場合が当てはまります。使用コストが少ないということは「検索数は少ない」ということはわかるか、このキーワードが有効なキーワードなのか、不要なキーワードなのか「判断できない」キーワードになります。
私たちは「Dランクから発掘しろ」と教わります。
使用コストが少ないということは1件の獲得が生まれればAランクに該当するようになります。検索数が少ない為、判断が難しいですがお宝が埋もれている可能性があるのです。
どの期間で見るべき
私が実際に見ている期間としては、「過去30日」「過去1年間」の数値を見ています。
過去30日で見る理由
直近の傾向、平均掲載順位などをみる為にまずはこの期間でランク付けを行います。すでに1.0位されていてインプレッションシェアも100%のキーワードは強化する必要無いためこのような判断をしています。
また成果のすり合わせは前月分の振り返りをする傾向にあるかと思います。(5月にクライアントに送るデータは4月分のようなイメージ)そのタイミングでの獲得件数はどうなのか、攻めるべき守るべきなのかを判断する為まずは過去30日で分析します。
過去1年で見る理由
検索数の少ないキーワードも拾い上げる為、時期的要素の影響を受けずに判断する為にこの期間でも分析を実施します。Dランクのキーワードは取れたタイミングはAランクへ、その期間がずれるとDランクへ戻ってしまい適切な強化弱化が難しくなります。なので1年間でも分析を行います。
変化したときの判断
過去30日のランクと1年間のランクでは当然ズレが発生していると思います。その二つを見比べて最終的な現在のキーワードランクを導き出します。また1年ランクに関しては入札の見直しをするたびに出していては非効率です。その為、前回使用した最終的なランクがここにあてはまります。
<1年間のランク>⇒<30日のランク>⇒<現在のランク>で書いていきますね!
まずは1年ランクがAのモノから
<A>⇒<A>⇒<A>
<A>⇒<B>⇒<B>
<A>⇒<C>⇒<B>
<A>⇒<D>⇒<A>
次に1年ランクがBのモノ。
<B>⇒<A>⇒<B>
<B>⇒<B>⇒<B>
<B>⇒<C>⇒<B>
<B>⇒<D>⇒<B>
1年ランクがCのモノ。
<C>⇒<A>⇒<B>
<C>⇒<B>⇒<B>
<C>⇒<C>⇒<C>
<C>⇒<D>⇒<C>
1年ランクDのモノ。
<D>⇒<A>⇒<A>
<D>⇒<B>⇒<B>
<D>⇒<C>⇒<C>
<D>⇒<D>⇒<D>
ABCDのランク付けも定期的に見直す
上の項目でもお伝えしましたが、毎回30日と1年のランクを出していては非効率すぎます。その為前回出した最終ランク(現在のランク)にあたる箇所を1年ランクとし判断します。しかし、それを毎月毎月使いまわしていると「Aランクだと思って強化してたけど実はBランクに落ちてた」や、「Bと思ってたけど実は過去1年間獲得が無くてCランクだった」なんてことになりかねません。
どんなに使いまわしたとしても3ヵ月に1回はリセットしてランク付けの見直しを行いましょう。
まとめ
Aランク:獲得あり、獲得単価安い
Bランク:獲得あり、獲得単価高い
Cランク:獲得なし、使用コスト高い
Dランク:獲得なし、使用コスト安い
・「過去30日」と「過去1年」の傾向を分析しましょう
・最終的なランクを使いまわしても良いが最低でも「3ヵ月に1回」は見直しを。
そしてこのランクを元に「Aランクは入札10%あげて」「Cランクは入札20%下げて」など指示も出しやすくなり、効率的かつ根拠のある運用を進めることが可能になります。
今回はここまで。